状態を波高○・五メートル未満とし、その平均継続時間を見ると、日本海側の観測点では約一日、太平洋側の目測点では約六時間となっています。最長の継続時間は日本海側の十日から二十日以上に対して、太平洋側ではせいぜい三−四日で長続きしません。
高波の事例
松前で観測開始以来第一位および二位の高波を観測した時の波高の時間変化の特徴を他の観測点とともに見ていくことにします。
◎台風から変わった低気圧による高遠二九八七年九月一日)
八月三十一日の早朝、対馬の西海上にあった台風一二号は、日本海を北東進して同日21時には函館の西約四百キロメートルの海上で、温帯低気圧(九七〇ヘクトパスカル)に変わりました。そして九月一日09時ころに北海道北部を通過しオホーツク海に抜けました。
図2に各観測点の波高の時間変化を示しました(江ノ島は欠測)。
松前と温海では、三十一日21時ころから急激に波高が高くなり、温海では一日02時に六・○メートル、松前では04時に八・七メートル(歴代第一位)の波高を観測しました。低気圧が東経一四〇度線を通過した一日05時以降は波も低くなり始めました。
一方、尻羽岬の波高のピークは日本海側の観測点より九時間ほど遅れて、低気圧がオホーツク海に抜けた一日12時に五・一メートルの波高を観測しました。この低気圧による強風や高波により、北海道の日本海側の地方を中心に死者・行方不明各一人、漁船の沈没・流出・破損三百二十四隻、道路の通行止め等の被害がありました。

<図2>1987年8月30日〜9月3日の波高変化

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<図3>1995年11月7日〜11日の波高変化

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